おはなし
「
桃太郎ふたたび! その1」
「
桃太郎ふたたび! その2」
「
桃太郎ふたたび! その3」
の続きです♪
はじまり、はじまり〜☆
打ち寄せる波のように、次から次へとやってくるオニたち。
退却をはじめる桃太郎とイヌ、サル、キジの家来たち。
刀を握り締めたまま、もと来た道を一目散に駆け出していくと、さきほどの横穴までたどりつきました。
「こっちだ!」
「待ってくださいっ!!」
そう叫んだのはキジでした。
「ここは入ってはいけませんっ!!」
イヌも同じように桃太郎を止めました。
「では、どうするんだ?」
うなり声をあげて、オニたちがせまってきます。
1番先頭はあのひときわ醜い緑オニです。
キジがこっそりイヌになにかささやきました。
「!?」
そして、
ケンケーーーンッ!!
キジはそう一声鳴くと、オニたちの群れへ一羽飛び立ちました。
「桃太郎さん!ここは私にまかせてくださいっ!!」
「なっ!?無茶だ!!」
桃太郎がキジの後を追おうとすると、イヌが足のすそをかみついて止めました。
「待つんです!桃太郎さん!」
「はなしてくれ!あれじゃ、キジが!!」
キジはオニたちの群れの頭上を一回りしたかと思うと、ねらいを定めて急降下。
何匹ものオニたちの頭を突っつきました。
「さあ、桃太郎さん!今のうちです!キジの気持ちを無駄にしてはいけません!!」
サルはそう言うと、近くの崖から桃太郎を突き飛ばしました。
そして、すぐさま自分も転がるように崖を落ちていきます。
桃太郎は背の上に転がり落ちました。
だれもどこもけがはありません。
でも、桃太郎には痛いところがありました・・・。
「キジ・・・。」
それは胸でした。
キジのことを思うと胸がずきずきと痛むのです。
「さあ、桃太郎さん。オニのボスを成敗しにいきましょう!」
「でも・・・。」
そう落ち込む桃太郎に、イヌが一喝しました。
「いい加減にしなさいっ!!あなたがそんなことでどうするんです!キジのためにもがんばるのです!」
桃太郎に父親はいませんでしたが、もし父親だったらこういう風に叱ってくれるのだなと思いました。
再び、桃太郎たちは歩を進めます。
一方、キジは桃太郎たちへ近づけないようにしようと何度も何度もオニたちの頭上を飛び回りました。
空の上に飛んでしまえば、オニたちの金棒は届きません。
でも、飛んでいるだけではオニたちはキジに見向きもせずに桃太郎たちのほうへ向かってしまいます。
そこで空に上がっては急降下、また空に上がっては急降下の繰り返し。
さすがのキジも体力の限界が近づいてきました・・・。
「ぎゃっ!!」
速度の遅くなったキジに一匹のオニの金棒が命中したのでした。
キジはそのまま、フラフラと海の方へ飛んでいきそこで力つきました・・・。
「桃太郎・・・。かならず・・・。」
そして、一直線に荒れ狂う海に向かって落ちていきました・・・。
そうとも知らない桃太郎たちは、とうとうオニのボスが住むオニ城までやってきました。
入り口はとてつもなく頑丈そうな大きな鉄の扉で、門番のオニがいました。
「ややっ!おまえたち!どこから入った!?」
すぐさま桃太郎のふるう刀に逃げ出す門番のオニ。
と、そこへあの緑のオニがやってきました。
「きっひっひっ!」
緑のオニが持っている金棒を大きく振り回すと、サルが前にでました。
きーっ!きーっ!
「桃太郎さんっ!ここは私にまかせてくださいっ!」
「うぬぅ・・・?」
緑のオニはサルの顔をのぞきこみました。
「ぎっ!?お前かっ!!」
どうやら、サルとこの緑のオニは因縁のある仲のようです。
「桃太郎さん、今のうちですっ!」
ここをサルにまかせ、イヌの先導で桃太郎はオニ城に侵入しました。
後ろからはサルと緑のオニの戦う、声にもならない声が聞こえてきます。
「頼むぞ・・・。無事でいてくれよ。」
桃太郎はそう願うばかりでした。
〜その5へつづく
↓さてさて、続きはどうなることやらです^-^;
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